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　大分県でも子持ちハタハタが水揚げされる事実を、我々のほとんどが知らなかった。
　情報を仕入れたのはオレンジ。ハタハタの塩魚汁（しょっつる）鍋を美味しく食べるレンジャーの新年会を行い、なおかつ塩魚汁が臭ければこれを対戦相手にしてしまおうという企画であった。
　それに対して、副隊長から一本の釘が打ち込まれる！

　そこで、今回はクサ戦のメイン・ターゲットをワインレッドが仕入れた「30年ものの鮒鮨（なれ鮨）」に置くという「話題のすり替え」技で、本格的塩汁鍋を楽しむ（本当の目的？）こととなった。
　ところが、クサレンジャーにあるまじき美食へのこだわりが神の怒りにふれたのか、直前になって天候の不順と漁のスケジュールの都合でハタハタが手に入らないことが判明。涙を呑むこととなる。（「のむ」の第一候補が〜 ＾＾；）
　代わりに用意された鮭で、クサ・バトル、れっつら（しょっつる）ドン！！

	食材の全容 　鍋の中には、水とダシ昆布、キノコ類がすでに投入されている。 　手前の皿に盛ってある赤い身が鮭で、白菜を中心とした野菜類。 　あ、ほかに豆腐もありました。今回も豪勢です、グルメです。 　「もう入れていいかなぁ〜」
	これは鍋にしない食材 　左上が今回の目玉、「30年ものの鮒鮨」。その右のタッパーは、ブラック謹製の糠漬け。その右が自然薯焼酎「とろとろ」だ。 　中央に横たわるパックの魚は「鯖の糠漬け」。みそ漬けではないところがミソ。 　さらに下段は、左から「塩魚汁」、「酒盗」、「いかの？？？？（何でしたっけ）」、「かにみそ」だ。
	ドクドクと、激臭依存症のワインレッドが毒のように流し込んで、決戦開始。 　この魚から作った汁は、いったいどんな臭いを立ち上らせてくれるのだろう。
	試薬の化学物質でも嗅ぐように、恐る恐る試してみる・・・・・・ 　「なぁに、これ。全然大丈夫。」とオレンジ＆ブラック。 　というわけで、あのブロンズも含めて全員がクリア。しょっつる敵にあらず！ 　ところが、やはり平和には進行しなかった。またもハイエナ・・・いや、この人
	突然の攻撃！ 　しょっつるの原液が鼻に付いてしまった。嗅いでいた瓶の底をブロンズにどつかれたのだ。 　まったく、ブロンズの性悪は悪化する一方だ。心不善に陥っているとしか思えない。 　前回の臭豆腐に続いて、またも汁付け攻撃に、表情は笑っているが穏やかでないコバルト。
	哀れ、激怒の表情すら許されないコバルトに捧げる詩・・・ 　コバルトの嘆き 　　　かなしからずや身はコバルト 　　　月の嬬（やもめ）の父無児（ててなしご）！ 　　　月はみ空に身はここに 　　　身すぎ世すぎの泣き笑い！ 　　　（堀口大学作詞、ブラウンちょっと改）

	これ（左）がハイエ・・・いや心不善のおねえさん。塩分は心に悪いよっ！ネギを鼻の穴に突っ込むと良いそうだよ。 　右は珍しくオレンジ色ではないオレンジ（実は下半身はオレンジ）。眠っているわけでも心停止でもなく、単に撮影タイミングのズレ。 　今回彼女は、鍋に入れるための贅沢な食材の数々を調達してくれた。さらにイクラの醤油漬けも本場の味で絶品。
	火の通った鍋。一般的な鍋料理として全く違和感がない。 　そして、食べてみるとやたらと美味しい。 　クサ戦であることを忘れ、奪い合うように鍋をつつく参加者達。
	美味しいぱっかりで何の刺激もない塩魚汁に、ついに禁断症状の出てしまったワインレッド。 　「もう、それにいく？」という時間帯なのに、それに手をかけてしまった！！
	その小さな骨壺の中には、30年間の眠りの間に溶解して存在が分からなくなった鮒の遺骨と、それを取り巻く発酵した身、米などがどろどろと詰め込まれていた。火葬でも土葬でもない、ドロ葬だ。 　そして今、その封印が解かれた。
	これが30年ものの鮒鮨（なれ鮨）と、付け合わせの醤油、トウガラシだ。 　30年前に亡くなった魚と、おそらくはもう亡くなっているかもしれない鮒鮨の作り手に黙とうを捧げ、冥福を祈る。
	ファースト・インプレッションを表現してくれたワインレッド。 　しかし、この崩れかけた表情が唯一のクサ顔。すぐに、「あ、これ大丈夫だ」と食べ始めるのだ。
	何じゃこりゃ、と、最初ツンとくる酸っぱい香りに表情を曇らせたブラウンも、その熟成したチーズとヨーグルトを混ぜたような風味に、「美味しいわ」と、クリア。 　なれ鮨は意外な味だった。
	さらに華を添えたのが、ブラック手作りの糠漬け。 　なんと、山芋とワサビなのだ。 　この珍味が、食卓を贅沢に盛り上げ、日本酒や焼酎をより美味しくしてくれたのだ。 　自然薯焼酎「とろとろ」との相性も抜群。
	カウンターの向こうの方に退避していたブルーと、クサ戦とは無関係のお客さんにも、塩魚汁鍋を試食していただいた。 　あまりのおいしさに、絶賛の嵐！ 　このように、今回は全参加者が塩魚汁鍋と30年ものなれ鮨に挑み、対戦したという手応えを感じないうちに勝利した。

2003年クサ新年会
レンジャー的に
大失敗

	さて、終電も近づいて帰ろうと立ち上がったブラウンが、なぜかブロンズから「お土産」をもらうこととなる。 　わざわざブロンズが用意してくれたお土産・・・ものすごくやな予感。 　「今ここで開けて！」とブロンズ。
	なんとそれは、「チョコエッグ」だった。 　ところがそれは、一目しただけで判るほど下手くそに、包装を包み直してあった（本当）。 　「これ絶対変だ〜！」と言うブラウンに対して、威圧的に「どこが〜？ほーらブラウン、開けてごらん」と魔女のような口調で強要するのだ。
	刃物で下手くそに分割した痕が見え見えのチョコエッグ本体を、しわだらけのアルミ包装から取り出して開いてみると・・・ 　なんと、中から出てきたのは、もいだばかりのような生々しいトウガラシの実であった。きゃっきゃと騒ぐブロンズに対して、これがどうした？と思ったブラウンだが、甘かった。
	「それ、食べてみ〜」 　悪魔のささやき、いや、怒声による強要である。 　「食べたいわけ無いだろ」 と内心思った。しかしそこは、蛇に睨まれたカエル、塩魚汁を鼻に付けられたコバルトで、抵抗できない。
	うぉぉぉぉ、激辛〜
	「やったー、ひっかかった」と喜ぶブロンズ。 　こういうのを「ひっかかった」とは言わないんですけど。 　そして、何故にチョコエッグだったのか。 　よい子のみんなは、不審な人からもらった不審なものを決して食べないようにしましょうね。
	苦悶のブラウンが去った後は、残った鍋を全員で堪能。 　今回は、個人的な攻撃を受けたブラウンとコバルト除いて、クサ戦による死傷者ゼロ。 　大変美味しい新年会を、無事終わらせることが出来た。 　参加者の皆さん、お疲れ様。 　次回は股（また）臭いのをやりましょう！

今回は臭くなかったので、ブラック副隊長の出番はありませんでした。

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