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お仕置き対局（オプション）

・・・今回もまた、1通のメールが引き金となった。

　クサレンジャー第７話（今回）が放映される少し前の夜、第７話を見るだけのつもりでいたらしいブロンズ宛に、ある酔っぱらいがメールを書いた。

　このメールは、本来ブロンズ個人宛に送られるはずの同窓会案内メールであったが、やまぷら会メーリングリストの全会員を誤爆した。
　誤爆の原因は＜ 前回ブロンズがやまぷらメーリングリストにバラまいた誤爆メール ＞ に対して「酔って返信」してしまったからだ。

　直後・・・

　と、ブロンズから大喜びのメールだ。

あーあ、やってしまった・・・。いくら一升瓶をラッパ飲みした後とはいえブラウン一生の不覚。こともあろうに、ブロンズがまき散らした「二の轍（にのてつ）」という地雷を踏んでしまったのだ。（ちなみに、海外で問題となっている地雷の一部は、日本の大手家電メーカーなどが量産して売っているのだ。）

　こんな美味しい出来事をクサレンジャー各隊員が見逃してくれるはずもなかった。

　まずレンジャーのご意見番こと長老クサ・タンから

　このことに端を発して、クサレンジャー御用達の掲示板（非公開）ではオレンジにより「ブラウンの苦手なものを思い出した！酸っぱいものだぁ〜！！！」と内部告発。対して副隊長が「そうだ、そうでした！良くぞ思い出してくれた！！＞オレンジ。黒酢ドリンクを一気飲みするのは味が判らないだろうから、お猪口でちびちびと味わって２本分というのは如何でしょう？」と、鬼のような発言が次々と書き込まれていったのである。

　一方、ブラウンも一方的に苦手な食材を食べさせられて敗戦するのが悔しく、何とか一矢報いたいとアレコレ考えていた。

　この対局は、そんな醜い隊員間の争いの物語である。

　まず、序盤からブラウンの一手を解説しよう。それは、クサレンジャー掲示板（非公開）で酸っぱいものが嫌いだという情報が飛び交った後の発言である。

　どう考えても最初の「酢」以外は嘘だと判りそうなものなのだが、こんな手に引っかかっちゃった愚かな隊員もいた。そう、わざわざキャビアを持ち込んでくれたブラック副隊長！どうして帰るまでに開けなかったんですか！！

　それはさておき、こうやって他の名詞と並列すると、「酢」も、その中の１つとして大枠で捉えられることになる。それを狙った一手。
　とにかく、大悪手を打ってしまったブラウンが圧倒的不利なことは明らかであったが、オレンジが「酸っぱいものだぁ〜」と言った一手も、対戦後の感想戦でブラウンが述べたように厳密に言うと苦手なものを的確には表していない悪手。

　つまり、「酸っぱいものが嫌い」でも間違ってはいないのだが、「酢酸の匂いが嫌い」が正解なのだ。このわずかな焦点の違いにすかさずブラウンがつけ込む。隊員達の注目が「酸っぱいもの」へと注がれるように演じた「焦点の酢」（将棋用語「焦点の歩」：いくつものコマが効いている焦点のマス目に歩を打つ手筋のことで、この場合、多くの隊員が意識している焦点「酸っぱいもの」を強調するための発言）の手筋により、「嗅覚としての酢」を取り去ることに成功した。（将棋用語「手筋（てすじ）」：局面に応じた指し手のパターン）

　それでは、実際の対局は対局図と照らし合わせながら、まず、ブロンズとの直接対決となった前半をご覧いただこう。

	VINCHATにて二人同窓会中。 　持ち込みのフランス産白ワインで、チーズとのマリアージュを体験させる（半強制）。 　写真は大嫌いだというウォッシュタイプのチーズを食べているブロンズ。表情が歪む。しかしこの後、ワインと合わせるとどちらも美味しく感じることに気づき、１レベルアップだ。 　生まれて初めてウオッシュチーズを（美味しく）食べることができたブロンズ。 　それに感謝してくれるんだったらお仕置きを手抜きしてくれればいいのに、ご機嫌取り？が行われたにもかかわらず、学生時代の話もそこそこにブロンズから苦手な食べ物の探りが入る。
	モロに弱点の梅干しが指摘され、ごまかすことができなかったブラウンに「判りやすいね」と勝ち誇ったブロンズ。確かにこの時のブラウンは否定してごまかすのに失敗した。さらに続く・・・。 　「セロリも嫌いなんじゃない？」。しかし今度はブラウンの作戦。いかにも本当のことを言い当てられ、隠そうとして失敗したフリをした。 　「図星だぁ〜」と大喜びするブロンズに、内心してやったりだ。 　そして、酸味の強い1996年産フランスのシャルドネを飲むことで、「酸味に弱くないのでは」と思わせるための伏線を張る。

　この後二人は一直線に本部へとは向かわず、ブロンズが蛇のような執念で、まず梅干し２パックをコンビニでゲット（鬼！）。さらにアーケード商店街でも「セロリありませんか」と本気で探しまくってくれた。

　こうして、続きの対戦は本部へと引き継がれた。

　お仕置き対局は、クサレンジャー本来の主旨である「エラブ汁」と「三蛇酒」との対戦が一段落付いてから再開された。
　では、以下終局までをご覧いただこう。

	まず、さっきコンビニで買ったばかりの梅干しを使ってブロンズがいきなり王手。 　しかしこの王手は「同じく、喰う（茶レンジ！）」で受けることができる王手だ。 　この１個を笑顔で耐えれば即詰みは無しと読んだブラウンは、余裕の表情（嘘顔）で笑みを浮かべた。 　「もしかして私を騙したの？」と不安なブロンズに、追い打ちをかけるように「セロリも嘘じゃ〜」とブラウン。（これが本日ブラウンが打った唯一の攻め手） 　その言葉に、ほとんどマジ切れ状態で憤怒し、疑心暗鬼・人間不信に陥ったブロンズではあったが、当のブラウンもハッタリかましただけで、実は梅干しで詰めろ（将棋用語：次に詰まされる状態）をかけられていた。
	次はブラックの一手である。 　しかし梅干しでは詰み無しと読んでいたのか、自らが仕入れたお仕置きアイテムとして、手駒から「激唐辛子」を打つ。 　これはブラウンも読んではいなかった一手。手のひらに載せられた唐辛子は赤くないのだが、よく観察すると唐辛子の中でも最も辛い種子の部分が、この粉末の主成分なのだ。
	「ぐわぇ〜！！」 　最高レベルに辛い。激辛耐性に自信があったブラウン（CoCo壱番10辛＋激辛パウダー水無しで撃破の実績数度）も耐えきれず苦悶する。
	「え゛!?」　少しずつ舐めてようやく減ってきたのに、しれ〜っと追加するアッシュ。オニだ、オニ！ 　（ここで、１つ前の画像に戻って背景にも注目していただきたい。サファイアも何かを食べさせられているゾ。） 　だが、誰もが数粒でギブ・アップした激辛カラシを、受けに徹したブラウンは時間をかけながらもナント完食。 　アホだなぁ（そうだよアホだよ）
	次の一手はブロンズのザワークラウト。これは、キャベツの酢漬けだ。しかもこんなに大きな缶詰を二缶とは、どうするつもりだったのか。 　この大駒（将棋用語：飛車または角のこと）２つを手駒として持っていたブロンズが、ここでブラウンの息の根を止めるのではないかと大方が予想していた。 　だが・・・
手順でブロンズは大きな誤りを犯していた。定跡（じょうせき）によるとレンジでチンして出すべきところを、そのまま出してしまったのだ。 　楽勝かかってこい！のブラウンと、自分でも美味しくて（汗）のブロンズ。
「大駒は離して打て」の格言どおり、まず離れた場所でレンジに入れて「成らせて」王手とすべきであったのだ。この悪手に対して、ブラックも「何これ、全然平気じゃない。ブロンズ、逆お仕置きだ！」と大いに怒る。 　「黒酢」の持ち込みもなかったので、この時点でブラウンは敵はすべての有効打をうち尽くした！と判断していた。 　ちなみに、レンジでチンしたザワークラウトはとてつもなく臭い食べ物だということが、持ち帰って実験したアッシュにより報告されている。
	この悪手により今回のお仕置きは詰み無しかと思われた局面に、それをうち消すような好手を放ったのがアッシュ（灰鬼）だ。 　アッシュは、手駒のうち有効ではないと思われていた「コンビニ梅干し」を使って、「継ぎ酢攻め」に出たのである。（将棋用語：「継ぎ歩攻め」。頭に歩を打ち、取らせてまた同じ駒の頭に歩を打つ手筋） 　ブラウンは、「顔前、梅干し」（王手）に対して「同じく、喰う」の一手のみ。ところが、飲み込めないでいるうちに次の「顔前、梅干し」と、連打の酢（将棋用語：「連打の歩」。続けて歩を打つ手筋）なのだ。
	喰うしか手のないブラウン。しかし動きが止まる。 　二個の梅干しを左右の頬に蓄え、酸っぱい唾液を溜めながら堪えていた顔前に、３個目（この日４個目）の梅干しを打って、アッシュ（阿修羅！）がオニ王手をかけた。局面は、いつの間にか必至（必死）（将棋用語：受けのない詰めろ）がかかっていた。 　これに対してしばらく凝固したまま耐えていたブラウンだが、ついにギブ・アップ。まさかの梅干し攻撃に頓死（将棋用語：読んでいなかった手で詰まされること）した。 　大きな梅干しを食べたのは20年ぶりくらい。3個も食べたのは始めてだ。

　▼投了図

　このように、かなりのイジメを耐え抜こうとした努力も空しく、ブラウンはお仕置きを全うされてしまったのだ。

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