最臭話 「史上最大のクサ戦」 後編
とうとう本当に最臭話を迎えたクサレンジャー。
前編では、シュールストレミングの臭さを実際に体験しただけでなく、適切に保存されたシュールを現地と同じように食べればそれなりに美味しいと確認できた。
食文化は「慣れ」である。外人の多くが納豆を食べられないのと同様に、それぞれの国・地域に独特の個性を持つ食材は多い。だが、長い歴史に裏打ちされた文化の重みを冷静に受け止める時、新たな味覚を自分のものとすることができるのである。
ところで・・・・
我々の目的は「臭気珍味と共に日本酒の文化を守ろう！」であった。
だが、これまでの対戦からも判るように、「臭気珍味と共に日本酒の文化を守ろう！という大義名分を掲げ、他人が激臭食材に悶絶する姿を肴にして日本酒文化を楽しもう！」というところが目的の多くを占めていることは明白である。
しかるに、隊員の多くが耐性を獲得してきて面白くなくなってきたこと、手に入る食材は多くを試してしまったことなどから、その目的を喪失しかけていた。
そんな時である。我々の勧誘に引っかかり、激臭食材の、いやイジメンジャーの犠牲となってしまったのが、ＫＢＣのDuomo（ドォーモ）でリポーターをつとめる岡本 啓（Akira Okamoto）氏（通称「おっかー」と呼ばれているらしい）。
内容は放送が終わるまでは明らかにできないが、今回は「素人集団がディレクターなどの指示に従ってへたくそな演技を一生懸命こなしている、と見せかけて、いかにリポーターをいじめたか」という点に注目して見て頂きたい。そう、これは「計画的犯行」だったのである。「史上最大のクサ戦」であり「作戦」であった。
とにかく、イジメの女王ブロンズにスイッチを入れてしまった岡本リポーターの悲惨で笑える成り行きを楽しんで頂きたい。ただし一番美味しいところ（通常ブラック役）を持って行かれたことは素直に認めざるを得ない。
「リポーターに挑戦状をたたきつけ、激臭食材で対決」という立派な大義名分は、耐性のない一般民に強制的に激臭食材を食べさせるにはこの上ない好都合。圧巻はあのシーン。これほど腹を抱えて笑い転げたのは久しぶりであった。さすがのリポーターも、マジに演技抜きで悶絶してくれた。その様は「クサ顔」をはるかに超えており、我々も予想しなかった「アクシデント」はインパクトの強さで今回の目玉となった。
それにしても、ブロンズの本名や過去の経歴までを本番収録中にしゃべりまくるリポーター（おそらく「ぴー」が入ると思われる）と、それに食ってかかるブロンズは、収録の合間も絡みあい周囲を笑わせてくれた。
なお、「ドォーモ」では台本や台詞は用意しておらず、大きな流れ以外は、今回の収録のようにその場その場で流れに任せて行われるのが常だという。岡本リポーターの鋭いつっこみや切り返しは流石プロだと感心するが、それに負けずに言い返したブラックのアドリブ対応能力には本当に感心してしまった。
＜ 放映は、12月10日深夜予定 ＞
今回は、ＴＶ出演のブラック、オレンジ、ワインレッド、ブロンズ、ブラウンの５隊員と、陰で色々と手助けしていただいたブルー、ネイビー、クリーム、パープル、マロン、サファイア、アクア、ローズ、ピンク、（あと一人）の10隊員、計15隊員が参加した。
▼ 作戦 その１ 「日本酒の仕込み体験（濱嶋酒造）」
▼ 作戦 その２ 「最臭話 後編（原尻の滝 ほか）」
▼ 作戦 その３ 「打ち上げ 〜 シモ発動」（作成躊躇中）
| ２度目のシュールは、個人的には前回ほど臭いという印象はなく、それなりに乗り越えることができた。ただ、今回は腹を下した。いろいろ食べたし吐くまで飲んだからシュールストレミングが原因だとは断定できないが、「う○この匂い」と表現されることもあるその物質が、生きたままのシュール発酵菌を腸内に運び、そこに滞在して腸内フロラを変えてしまい、大腸菌に代わって発酵を続けているのではないかと思えるほどのガスが出続けている。 「シュールはう○この匂い」と表現したが、翌日はシュールに乗っ取られたかのように、自分の「う○こ」からシュールの匂いがしてきた。大量のツナを食べて下痢をしたような感じといえば何となく伝わるだろうか。参った。 さて、今回は、自分たちが出演していたにもかかわらず、その放送内容がＨＰに使用できなかった。我々出演者は、ほとんど飲み食いができないほど撮影のため拘束されたため、写真の撮影枚数がとても少なかった。 さらにもう１つ。これまでのＨＰでも、まったく100％事実を報じたわけではなく写真を見ながら多少の脚色をして面白く作ってきた。ところが今回は、その作業は KBC によって行われ、「事実」として、１つの流れで放映されてしまっている。したがって、私はその流れから逸脱したストーリーを組むことができない。「事実」を補完する形で、放送の記録として載せるしかできなかったのである。 クサレンジャーの普段の対戦は、「その食材がどれほど臭いか、我々の中にどれほどの犠牲者が出たか」を笑うのがコンセプトであった。しかし今回は、酒の肴としての激臭食材がテーマであり、我々もリポーターも、とりあえずは「美味しく食べる」必要があった。ドリアンでブラウンが崩れ、臭豆腐で全員が苦悶し、くさやとシュールでブロンズが撃沈するのを楽しむ流れが本来であったはずだ。そういう意味では、異質の最終回であったといえるだろう。 今だから言うが、仕事とはいえ岡本リポーターはよくあれだけ食べられたなと感心する。日本酒に合う酒の肴というのは大義名分だったんだけどなぁ、よくあそこまで上手にまとめてくれました。ありがとうございました。 |
残すは忘年会を兼ねた解散会。これをもって、約2年間にわたり全20回行われた激臭大戦隊クサレンジャーは、そのすべての幕を下ろす。
2004年1月「帰ってきたクサレンジャー」（嘘）